news
2025/11/07 15:31


高橋盾と藤原ヒロシの「今、着たい服」が、ここに
高橋盾と藤原ヒロシが思う「今、着たい服」から生まれたカプセルコレクション。ここには、この二人にしか生み出せない、変わることのない瑞々しいDIY精神と好奇心が息づいている。

――今回のコレクションが生まれた経緯を教えてください
高橋盾(以下、T)「久しぶりにダウンが欲しいな、と思った時に、以前にヒロシくんとのAFFAで作ったダウンやFRAGMENTと作ったダウンベストをよく着ていたので、そのアップデート版が欲しくなって。それで、ヒロシくんに『作りませんか?』と」
藤原ヒロシ(以下、F)「そうですね。それにホームウェア的なものを足そうかなと思って。だから、アウターのダウンと部屋の中でも楽に着られるようなフリースの上下といった感じですね」
――ダウンはジャケット、ベストとも高橋さんと藤原さんに共通する定番アイテム、チャイナジャケットを意識したデザインになっていますね。
T 「ヒロシくん、よく着ていますよね。俺もギャルソンのものとか、よく着ますし。チャイナジャケットには、ずっと“憧れ”があって、毎日、作務衣かチャイナジャケットを着ているオジさんで、もういいかなって(笑)。とはいえ、あまりに本物っぽいと着づらいじゃないですか。そこを『このくらいで』っていうのが上手くいっている感じで。あと、この軽く薄手のダウンなら、海外に行く時そのまま飛行機に乗れるし、パッキングもしやすい」
F 「今、すごく寒い時期って短いから、このくらいのボリュームのダウンだと長い期間着られて良いんじゃないかな」
――他にTシャツ、スウェットもラインナップされていますが、そこに描かれた“CHANEL HEIGHTS CLUB”とは、どういう意味ですか?

F「CHANEL HEIGHTS(シャネル・ハイツ)っていうのは、昔、ジョニオが住んでいたマンションの名前なんだけど(笑)。そこにみんなで集まってシルクスクリーンでTシャツのプリントを刷っていたという。ある種、“トキワ荘”的な思い出の場所」
T「そのマンションのシルエットをグラフィックに使っているんです」
――では、一緒に描かれている名前は、その時のメンバーのものなんですね。
T「メンバーっていうか、よく来ていた人ですね。別に誰からも許可は取ってないんですけど(笑)」
F「夜中にジョニオの部屋で作ったものを翌朝お店に納品したりね」
T「そうですね。AFFAのMA-1も最初はここで作っていましたからね。自分で裁断も縫製もやって、本当にDIYでしたね、あの頃は」
F「まあ、そういう時代を経て今があるということで(笑)」

――そして、今回のコレクションは販売の仕方もいつもとは違うと聞いています。
F「なにか面白いことできないなって思って。それで、せっかく展示会にたくさん人が来るんだから、そこで買えたら良いんじゃないかな、と。展示会に来て『これ、今着たいんだけど』っていう人、よくいるじゃない」
T「そうなんですよ。だから、それを聞いて『なるほど』と。それに、今は情報の拡散が早いから、コレクションを発表して、その情報がバッと一度出回ってから半年後にデリバリーというサイクルは、時代と合っていないかもしれない」
F「今回は展示会のあと、2週間後には一般販売もするんだよね」
T「そうです。本当は展示会が終わった次の日に一般販売したいんですけれどね」
F「それも、夜に作ったものを次の朝に店頭に出すっていう、さっきの話の続きみたいで、初心に戻った感じで良いんじゃないかな(笑)」